旅行の手配を請ける・頼むときの契約書

手配を請ける人が旅行業者か手配業者か、どちらでもないかで、確認する登録が変わります。登録の線引きと、取引する者への書面、事故と再委託の条項を、順に整理します。

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手配先との契約で「責任を負わない」と書いても、旅行者に対する旅行業者の責任は、旅行業約款で決まります。二つの定めが食い違うと、差額は頼む側に残ります。

このページの要点

  • 旅行サービス手配業は、旅行業者のために、サービス提供者との契約を代理・媒介・取次ぎする事業(旅行業法2条6項・23条)。相手が旅行業者なら手配業の登録は不要(34条1項)。
  • 取引をする者には、旅行業者等は12条の5第3項、手配業者は30条1項の書面を交付する。記載事項は省令で確認し、業務指示書との関係を決める。
  • 事故・自由行動・延長料金は、旅行者に対する約款(12条の2)と整合させ、保険の加入と証券の提出、事前の承諾、求償の条件を書く。
  • 再委託は他の手配業者または旅行業者に限られる(33条)。名義の利用は禁止(14条・32条)。旅行者を契約当事者のように読める書き方は避ける。

結論:「頼む側」は相手の登録を確かめ、「請ける側」は自分の仕事が登録の範囲に入るかを確かめる

宿泊施設や車両、食事、体験などを、旅行会社から請け負って手配する。あるいは、自社が企画する旅に、外部の事業者の手配を組み込む。こうした事業者間の契約では、「手配」という言葉の中身によって、登録が必要な人が変わります。旅行業法は、旅行業と旅行業者代理業を、観光庁長官の行う登録の対象とし(3条)、これとは別に、旅行サービス手配業も観光庁長官の行う登録の対象としています(23条)。

旅行サービス手配業とは、報酬を得て、旅行業を営む者のために、旅行者に対する運送等サービスまたは運送等関連サービスの提供について、そのサービスを提供する者との間で、代理して契約を締結し、媒介をし、または取次ぎをする行為を行う事業です(2条6項)。ただし、取引の公正、旅行の安全、旅行者の利便の確保に支障を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定めるものは除かれています。ここでいう「運送等サービス」は運送と宿泊のサービス、「運送等関連サービス」はそれ以外の旅行に関するサービスです(2条1項1号・2号)。

契約書の側から整理すると、次の三つに分かれます。①自らサービスを提供する事業者(宿泊施設、車両を運行する事業者など)。②旅行業者から頼まれて、他のサービス提供者との契約を代理・媒介・取次ぎする事業者(旅行サービス手配業の領域)。③旅行者と直接、企画旅行契約や手配旅行契約を結ぶ旅行業者(2条4項・5項)。このページは、②と③の間、および②の再委託の部分を中心に、契約書に何を書くかを整理します。登録の申請そのものは、このガイドの対象外です。

同じ旅行業法の中で、旅行業者は旅行サービス手配業の登録を受けなくても、2条6項の行為を行うことができます(34条1項)。また、旅行業者代理業者が行う旅行業務には、23条の登録の規定は適用されません(同条2項)。つまり「手配を請ける人が旅行業者」であれば、手配業の登録は要らず、旅行業の登録を確かめれば足ります。相手の立場によって、確認する登録が変わる点が、最初のつまずきどころです。登録の種類の全体像は許可・登録・認定の違いと契約書のページで整理しています。

登録の線引き:誰に、どの登録を確かめるか

相手の立場ごとに確かめる登録

相手の立場根拠登録の要否契約書で書くこと
旅行者と直接契約する旅行業者旅行業法2条1項・3条旅行業の登録(観光庁長官)が必要頼む側は、登録の種別・番号・有効期間を確認し、別表に特定する
旅行業者のために、サービス提供者との契約を代理・媒介・取次ぎする者同法2条6項・23条旅行サービス手配業の登録(観光庁長官)が必要。ただし、国土交通省令で定める除外がある頼む側は、登録番号を確認する。除外に当たると考える場合は、その根拠を契約前に確かめて記録する
手配を請け負う者が、旅行業者である場合同法34条1項手配業の登録は不要(旅行業の登録を確認する)「旅行業者として請け負う」旨と、登録番号を書く
手配の業務を、さらに別の者に委託する場合同法33条手配業者は、他の手配業者または旅行業者に委託しなければならない。旅行業者が2条6項の行為を他人に委託するときも、手配業者または他の旅行業者に委託する再委託先の登録を、承諾の条件にする(本ページの「再委託」の項)
自らサービスを提供する事業者(宿泊施設、車両の運行事業者など)各事業を規律する法令旅行業・手配業の登録とは別の枠。そのサービスを提供するための免許・許可・届出が別に問題になる手配の対象としての位置づけ(サービス提供者)を書き、手配者とは区別する

この表で押さえたいのは、確認の対象が「相手が旅行業者なのか、手配業者なのか、どちらでもないのか」で変わることです。どちらでもない者に、2条6項の行為を委託すると、委託した側の問題になりえます(33条)。また、除外される行為の範囲は国土交通省令に委ねられており、条文の本文だけでは判断できません。除外に当たると考えて登録を持たずに請け負う場合は、なぜ除外に当たると考えたのかを、契約を結ぶ前に、省令と所管官庁の資料で確認して記録に残しておきます。確認が取れなければ、「条文と所管官庁の資料で確認が必要」の段階にとどめ、断定した書き方を契約書に置かないことです。

確認の問い手配の契約を結ぶ前に、双方が確かめる問い

  1. 依頼する手配は、どのサービス(運送、宿泊、それ以外)を対象にしますか。

    理由運送・宿泊は「運送等サービス」、それ以外は「運送等関連サービス」と、条文上の分類が違います(2条1項)。手配の対象を分類して書くと、どの行為の話なのかが特定できます。

  2. 請ける側は、自らサービスを提供しますか。それともサービス提供者との契約を代理・媒介・取次ぎしますか。

    理由前者はサービス提供者としての契約、後者は手配の行為です。契約書に書く義務も、確認する登録も違ってきます(2条6項)。

  3. 請ける側は、旅行業者ですか、手配業者ですか。登録番号は何ですか。

    理由旅行業者は手配業の登録を要しません(34条1項)。どちらの登録を確かめるのかで、確認の書面が変わります。

  4. 旅行者から対価を受け取るのは誰ですか。

    理由旅行者との契約は旅行業者が結ぶもの(2条4項・5項)です。手配を請ける側が旅行者から直接対価を受け取る形なら、その法的な位置づけを確認します。

  5. 手配の業務を、さらに他の者に任せますか。

    理由再委託先も登録の枠が決まっています(33条)。承諾の手続と、再委託先の登録の確認を、契約の中で先に決めておきます。

取引する者に交付する書面:旅行業者の義務と、手配業者の義務

旅行業者等が、旅行業務に関して取引をする者(旅行者を除く)と契約を締結したときは、国土交通省令で定める場合を除き、遅滞なく、その取引をする者に対して、旅行者に提供すべき旅行に関するサービスの内容その他の国土交通省令で定める事項を記載した書面を交付しなければなりません(12条の5第3項)。旅行者に交付する書面(同条1項)とは別の規定です。書面の交付に代えて、取引をする者の承諾を得たうえで、電子的な方法で事項を通知することもできます(同条4項)。

旅行サービス手配業者にも、同じ趣旨の義務があります。旅行サービス手配業務に関して取引をする者と契約を締結したときは、国土交通省令で定める場合を除き、遅滞なく、その取引をする者に、旅行者に提供すべき旅行に関するサービスの内容その他の国土交通省令で定める事項を記載した書面を交付します(30条1項)。電子的な方法による代替も、取引をする者の承諾を得て行えます(同条2項)。記載事項の細目は国土交通省令で定められているため、条文だけでは分かりません。契約書や業務指示書に書面の機能を持たせるときは、省令の記載事項を、条文と所管官庁の資料で確認してから設計します。

書面の整理:契約書、業務指示書、法定の書面

書面誰が誰に役割契約書での扱い
基本の業務委託契約書頼む側と請ける側の間で締結当事者、業務の範囲、報酬、責任、再委託、保険など、継続的に使う枠個別の手配ごとの内容は書かず、業務指示書に委ねる
業務指示書(個別の手配ごとの書面)頼む側が請ける側に交付する個別の日程、サービスの内容、報酬など、その都度の条件「業務指示書は契約の一部」とし、契約書との優先関係を決める
取引をする者への法定の書面旅行業者等・手配業者が、取引をする者に交付(12条の5第3項、30条1項)旅行者に提供すべきサービスの内容などを明らかにする業務指示書がこの書面を兼ねるなら、省令の記載事項を満たすように設計する。兼ねないなら、別に交付する旨を書く
電磁的方法による提供の承諾取引をする者が承諾書面に代えて電子的に提供するための前提(12条の5第4項、30条2項)承諾の方法と、撤回の扱いを書く

個別の手配が動くときの書面の流れの一例

  1. 依頼頼む側が、日程、人数、対象のサービス、予算の範囲を示して依頼する。まだ契約は成立していない
  2. 見積りと承諾請ける側が見積りを示し、頼む側が承諾する。この時点で、個別の手配に関する契約が成立する
  3. 業務指示書と法定の書面の交付成立後、遅滞なく、書面(または承諾を得た電子的方法)を交付する。業務指示書が法定の書面を兼ねる設計なら、同時に満たす
  4. 変更と追加日程やサービスの変更があれば、変更後の内容を書面で確定する。口頭だけの変更を認めない旨も書いておく
  5. 実施と報告実施中の事故・変更の報告の窓口と期限を決める。実施後に、実績を報告する
  6. 精算報酬、実費、キャンセル料を精算する。ここで、前に決めた算定の基準に従う

ここでよく起きるのは、基本契約書には詳細を書きすぎず、個別の手配の書面にも条件が書かれていない、という空白です。個別の手配の書面(業務指示書)に最低限入れる項目は、日程、手配の対象のサービス、数量、報酬、キャンセルの扱い、連絡窓口です。契約書と業務指示書が食い違ったときの優先関係(原則として契約書を優先し、指示書に別段の定めがあるときは指示書を優先する、など)も、基本契約書の側で決めておきます。

ツアー中の事故・自由行動・延長料金・保険の分担

手配の契約で揉めやすいのは、旅の最中に起きた事故やトラブルです。誰の保険でどこまで対応するのか、自由行動の時間に起きたことは誰の責任なのか、予定を超えて車両を動かしたときの追加料金は誰が払うのか。これらを、手配の契約書に「一切責任を負わない」と一行書くだけで済ませると、旅行者に対する責任が消えるわけではないため、かえって、頼む側と請ける側の間に不満が残ります。

まず確認したいのは、旅行者に対する責任の定めと、手配先との間の定めを、食い違わせないことです。旅行業者は、旅行者と締結する旅行業務の取扱いに関する契約について、旅行業約款を定めて観光庁長官の認可を受けます(12条の2第1項)。旅行者に対する責任の範囲は、この約款に定められます。手配先との契約で、約款より狭い範囲しか責任を負わない旨を書いても、旅行者との関係では約款が基準になり、差額は旅行業者が負担することになりえます。契約書では、旅行者に対して負った責任を、手配先にどう求償できるかを、約款の定めと突き合わせて書くことが大切です。

書き方の例(一般的な例)事故・費用の分担を決める条項の書き方

運行中・提供中の事故

よくある書き方事故が起きたときは、乙が責任を負う。
整えた書き方サービスの提供中に事故が起きたときは、直ちに甲に報告し、旅行者の安全確保のために必要かつ合理的な初動を行う。損害の負担は、事故の原因、提供者の保険の適用範囲、各当事者の責めに帰すべき事由に応じて、別に定める。

理由全責任を一方に負わせる書き方は、現実の保険の適用範囲と合わないことがあります。初動と報告を義務にして、負担の定めは基準を示して別に委ねると、運用に耐えます。

自由行動・管理外の時間

よくある書き方自由行動中の事故について、甲乙は責任を負わない。
整えた書き方旅行者が自由に行動する時間、および宿泊施設の内部など、乙の管理が及ばない場所・時間に生じた事故については、乙は自らの管理上の責めがある場合を除き責任を負わない。ただし、旅行者に対する旅行業者の責任に影響しない。

理由「一切負わない」ではなく、管理が及ばない範囲と、自らの責めがある場合の例外を書くと、効力が否定されにくくなります。旅行者に対する責任とは別枠であることも明記します。

追加料金

よくある書き方延長が生じたときの料金は旅行者が支払う。
整えた書き方業務指示書に定めた時間を超えて役務の提供が必要になったときは、乙は、あらかじめ甲に連絡して承諾を得たうえで延長を行い、甲は業務指示書の単価に従って延長料金を支払う。旅行者から直接受け取る場合は、旅行者に対して事前に案内する。

理由延長料金を旅行者が現地で直接払う設計なら、旅行者側の約款や案内に先に書いてあることが必要です。手配先との契約だけに書いても、旅行者には届きません。

保険

よくある書き方乙は適切な保険に加入する。
整えた書き方乙は、本契約の業務に関して、賠償責任保険その他必要な保険に加入し、契約期間中維持する。保険金額は事故ごとに○円以上とし、甲の求めがあるときは、保険証券の写しを提出する。

理由「適切な」では基準になりません。保険の種類と、金額の下限と、証券の提出まで書くと、確認ができます。

保険の分担は、運行中の事故は運行する事業者の保険で、自由行動や宿泊施設内の事故は旅行者自身の保険で、といった形に整理されることがあります。この整理が成り立つには、旅行者への案内に「どの場面で、どの保険が適用されるか」が書かれていることが前提です。契約書の側でできるのは、保険の加入を義務にして、証券を確認し、事故時の報告と初動を義務にすることです。保険金の支払に不足が出たときの負担を、誰がどの範囲で受け持つのかは、原因と責めに応じて協議するといった枠だけを置き、具体の数字は個別の合意に委ねます。

再委託の承諾と、登録の名義の利用の禁止

手配を請けた事業者が、その一部を別の事業者に再委託する場面があります。旅行サービス手配業者が旅行サービス手配業務を他人に委託する場合は、他の旅行サービス手配業者または旅行業者に委託しなければなりません(33条1項)。旅行業者が2条6項に規定する行為を他人に委託する場合も、旅行サービス手配業者または他の旅行業者に委託します(同条2項)。再委託先の登録は、契約の自由な選択に委ねられていません。

そのため、再委託の条項は、「無断で再委託してはならない」という一文だけでは足りません。承諾の手続、再委託先に求める登録、再委託先の行為についての責任、再委託先が変わったときの扱いを書いておきます。あわせて、名義の利用にも注意が必要です。旅行業者等は、その名義を他人に旅行業または旅行業者代理業のために利用させてはならず、営業の貸渡しなどにより他人にその名において経営させてもなりません(14条)。旅行サービス手配業者にも、同じ規律があります(32条)。再委託や下請けの形をとっていても、実態が登録の貸し借りになっていれば、禁止の対象になりえます。名義を使わせることの意味と線引きは、許可の名義貸し・又貸しにならない委託の組み方のページで扱っています。

第○条再委託

  1. 乙は、甲の事前の書面による承諾を得なければ、本業務の全部または一部を第三者に委託してはならない。
  2. 乙が本業務の一部を委託する場合、その相手方は、旅行業法に基づき、旅行業者または旅行サービス手配業者として必要な登録を受けている者でなければならない。乙は、委託の前に、相手方の登録の種別、番号および有効期間を確認して甲に報告する。
  3. 乙は、再委託先の行為について、自らの行為と同一の責任を負う。再委託先が登録を失ったときは、乙は直ちに甲に通知し、甲は、契約の全部または一部を解除できる。
  4. 乙は、自己の登録の名義を、第三者に旅行業または旅行サービス手配業のために利用させてはならない。

条文例は一般的な書き方の一例です。実際の使用では、相手方の立場(旅行業者・手配業者)に応じて、第2項の登録の種類を書き分けます。

手配の契約が、旅行者との契約と読まれないための書き方

企画旅行契約や手配旅行契約は、旅行業を営む者が旅行者と締結する契約です(2条4項・5項)。手配を請ける事業者と旅行業者の間の契約は、事業者間の業務委託の契約であって、旅行者との契約ではありません。ところが契約書や案内文の書き方によっては、手配先が旅行者に対して直接の契約責任を負うように読めてしまうことがあります。

  • 当事者の書き方:旅行者を契約の当事者や名宛人のように書かない。旅行者は「頼む側の顧客」と位置づけ、手配先と旅行者の間に契約が成立するように読める書き方を避ける。
  • 対価の流れ:旅行者が代金を支払う相手は旅行業者であることを書く。手配先が旅行者から直接対価を受け取る形なら、その理由と根拠を契約書に書き、旅行者への案内と整合させる。
  • 取引条件の説明:旅行者への取引条件の説明は、旅行業者等が行う義務です(12条の4)。この義務を手配先に任せる書き方にしない。説明のために手配先が提供する情報の範囲と期限を決めるにとどめる。
  • 約款の位置づけ:手配先の利用規約や案内文を、旅行者に対する旅行業約款の代わりに使わない。旅行者との関係は、旅行業者の約款(12条の2)が基準になる。
  • 広告・表示:旅行業者は、企画旅行の広告に必要な事項を表示し(12条の7)、誇大な広告をしてはならない(12条の8)。手配先が自らのウェブサイトに旅行の販売のような表示をすると、旅行業の領域と受け取られるおそれがある。

このうち、広告と表示の整合は、登録の表示や規約・特商法表記の書き方とも関わるため、許可番号・登録番号・標識の表示と規約・特商法表記の整合のページでも扱っています。

起きがちなこと

場面別に見る、手配の契約で起きがちなこと

登録の確認が口頭だけだった

起きがちなこと頼む側が、請ける側から「登録は持っている」と口頭で聞いて手配を任せた。後になって、登録の種別が想定と違っていたことが分かった

手当て登録の種別・番号・有効期間を契約書の別表に書き、確認の書面(登録の写し)を提出させる。変更・失効があれば直ちに通知する条項を置く

再委託が連鎖していた

起きがちなこと請ける側が、さらに別の事業者に任せ、その事業者がまた別の者に任せていた。最終の実施者が誰か、頼む側が把握できなかった

手当て再委託は書面の承諾制にし、再委託先の登録を条件にする。再々委託を禁止または承諾制にする(33条)

追加料金の請求を巡って揉めた

起きがちなこと日程が延びて追加料金が生じたが、誰がいつ承諾したのかが残っていなかった。旅行者への案内にも延長の料金が書かれていなかった

手当て延長は事前の承諾を要することを書き、承諾の記録の方法を決める。旅行者への案内と手配先との契約の定めをそろえる

事故の責任の線引きが約款と食い違った

起きがちなこと自由行動中の事故で、手配先との契約では責任なしとなっていたが、旅行者に対しては旅行業者が約款に基づいて責任を負うことになり、求償先が決まっていなかった

手当て旅行者に対する責任の範囲を約款と突き合わせ、手配先への求償の条件を契約書に書く。保険の加入と報告の義務を置く

旅行の手配を請ける・頼む契約書の点検

  • 手配の対象サービス(運送・宿泊・それ以外)と、手配の行為の類型(代理・媒介・取次ぎ/自ら提供)を書いている。
  • 相手が旅行業者なのか、手配業者なのかを特定し、登録の種別・番号・有効期間を別表に写している。
  • 取引をする者への法定の書面(12条の5第3項/30条1項)と、業務指示書の関係を決めている。
  • 事故時の初動と報告、保険の加入と証券の提出、自由行動・管理外の時間の線引きを書いている。
  • 延長料金や追加費用は、事前の承諾と、旅行者への案内の整合を取っている。
  • 再委託は書面の承諾制とし、再委託先の登録と責任、名義の利用の禁止を書いている。
  • 旅行者を手配先の契約当事者のように読める書き方をしていない。

よくあるご質問

旅行サービス手配業の登録は、どんな仕事に必要ですか。

報酬を得て、旅行業を営む者のために、旅行者に対する運送等サービスや運送等関連サービスの提供について、サービスを提供する者との間で、代理して契約を締結し、媒介をし、または取次ぎをする事業が対象です(旅行業法2条6項・23条)。取引の公正、旅行の安全、旅行者の利便の確保に支障を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定める行為は除かれています。省令の除外の範囲は、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。

相手が旅行業者なら、旅行サービス手配業の登録も確認する必要がありますか。

旅行業者は、旅行サービス手配業の登録を受けなくても、2条6項の行為を行うことができます(旅行業法34条1項)。そのため、相手が旅行業者であれば、旅行業の登録(種別・番号・有効期間)を確認すれば足ります。契約書には、相手が旅行業者として請け負うことを書き、登録番号を別表に特定します。

手配の業務を、他の会社に再委託してもよいですか。

旅行サービス手配業者が旅行サービス手配業務を他人に委託する場合は、他の旅行サービス手配業者または旅行業者に委託しなければなりません(旅行業法33条1項)。旅行業者が2条6項の行為を委託する場合も、旅行サービス手配業者または他の旅行業者に委託します(同条2項)。契約書では、書面の承諾制にして、再委託先の登録の確認を条件にします。

取引をする相手に交付する書面には、何を書きますか。

旅行業者等は、旅行業務に関して取引をする者(旅行者を除く)と契約を締結したときは、遅滞なく、旅行者に提供すべき旅行に関するサービスの内容その他の国土交通省令で定める事項を記載した書面を交付します(旅行業法12条の5第3項)。旅行サービス手配業者にも同趣旨の義務があります(30条1項)。記載事項の細目は省令で定められており、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。

自由行動中の事故について、手配先との契約で「責任を負わない」と書けば足りますか。

手配先との間の定めだけでは足りません。旅行者に対する旅行業者の責任は、旅行業約款(旅行業法12条の2)に基づいて決まるため、手配先との契約で責任を免れる旨を書いても、旅行者との関係では約款が基準になります。契約書では、管理が及ばない範囲と、自らの責めがある場合の例外を書き、旅行者に対する責任とは別枠であることを明記したうえで、保険と求償の条件を整えます。

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