このページの要点
- 警備業務は2条1項で四つの区分。雑踏の警備も交通の誘導も2号で、契約書の定義と条番号をこれに合わせる。
- 警備業を営むには公安委員会の認定が前提(4条)。有効期間は五年(5条4項)で、満了で失効する(7条5項)。営業所と区分が契約の業務に合うかも確認する。
- 警備業者は、契約を結ぶまでに概要の書面(19条1項)、契約を結んだら遅滞なく契約内容を明らかにする書面(同条2項)を交付する。電磁的方法には依頼者の承諾が要る(同条3項)。
- 契約書・指示書・別紙の優先関係を決め、期間・対価・解除の変更は合意と書面の交付に結び付ける。
結論:認定の確認、区分の特定、二つの書面、書類の優先順位の四つを組み込む
警備業務の委託契約書は、普通の業務委託契約書の骨格に、警備業法の決まりを重ねて作ります。重ねる点は四つです。一つ目は、受ける側が警備業の認定を受けた警備業者であること(警備業法4条)を、契約書の側で確かめ、約束させること。二つ目は、業務の内容を、法が定める四つの区分(2条1項)のどれに当たるかを正しく書くこと。三つ目は、警備業者が依頼者に交付しなければならない二つの書面、つまり契約を結ぶまでの概要の書面と、契約を結んだ後の書面(19条)を、契約書と無理なくつなぐこと。四つ目は、契約書、業務の指示書、別紙の三つが食い違ったとき、どれを優先するかを決めておくことです。
この四つのうち、二つ目の区分の取り違えは、契約書の最初の定義の条から引用がずれていく原因になるため、特に気をつけたい点です。雑踏の場所や交通の危険のある場所での警備は2号で、運搬中の現金などの警備は3号です。条番号を一つ取り違えただけで、契約書全体の信頼が落ちます。以下、順に見ていきます。
このページは、警備を頼む側にも、請ける側にも使えるように書いています。警備員の資格や教育、指導教育責任者に関する条項は警備員の欠格・年齢・教育と指導教育責任者の条項に、中止や天候による精算、保険は警備の中止・天候・日割り半日割りの精算と保険に分けて書いています。なお、認定を受けるための手続や要件は、このガイドでは扱いません。
警備業務の四つの区分と、契約書の定義の書き方
警備業法2条1項は、警備業務を四つに分けています。契約書の「業務」の定義は、この区分に合わせて書きます。
警備業務の四つの区分(警備業法2条1項)
| 号 | 業務の内容(条文の言い方) | 契約書で押さえること |
|---|---|---|
| 1号 | 事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等(警備業務対象施設)における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務 | 施設ごとの警備。機械警備業務は、この1号の業務に限られる(2条5項) |
| 2号 | 人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務 | 人の雑踏の場所の整理と、車両の通行に危険のある場所の誘導は、条文上は同じ2号 |
| 3号 | 運搬中の現金、貴金属、美術品等に係る盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務 | 2号とは別の区分。雑踏の警備を3号と書くのは誤り |
| 4号 | 人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務 | 身辺の警備。ほかの号とは性質が違う |
契約書でよく見かけるのは、「交通誘導警備」や「雑踏警備」といった呼び名を使い、そのあとに「法2条1項○号」と条番号を添える書き方です。呼び名として使うのは構いませんが、条番号を添えるなら、条文と一致していなければなりません。人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所での業務は、雑踏の警備も、交通の誘導も、どちらも2号です。3号に当たるのは、運搬中の現金等の警備だけです。
区分が大切なのは、契約書の引用の正確さだけが理由ではありません。区分は、警備業者の認定の内容に関わります。認定を受けるときに、営業所ごとの取り扱う警備業務の区分が申請の事項になっており(警備業法5条1項2号)、指導教育責任者も営業所と区分ごとに選任されます(22条1項)。つまり、警備業者であっても、取り扱う区分に含まれない業務は、その営業所では行えない可能性があるのです。契約書の業務が、相手の営業所の取扱区分に入っているかどうかは、契約の前に確認する価値があります。
書き方の例(一般的な例)業務の定義の書き方
区分の特定
理由雑踏の警備も交通の誘導も、どちらも2号である。3号を併記すると、運搬中の現金等の警備まで含めたような定義になり、引用が崩れる。
警備員の定義
理由警備員は、法が警備業者の使用人その他の従業者で警備業務に従事する者と定義している。法の定義に合わせると、後の条文の引用が合う。
業務の範囲
理由「一切の安全確保」は範囲が決まらない。警備業法15条は、警備業務の基本原則として、特別に権限を与えられていないことに留意し、他人の権利と自由を侵害しないことを求める。契約書の業務内容も、これを超える権限を前提にしない。
区分のうち、1号から3号までの警備業務については、国家公安委員会規則で定める種別のものを行うとき、種別ごとの合格証明書の交付を受けている警備員に実施させなければならない、という決まりもあります(警備業法18条)。契約書の側からは、資格者の配置を約束させる条の書き方が問題になります。この点は警備員の欠格・年齢・教育と指導教育責任者の条項で扱います。
警備業者は認定を受けた者:契約書で確かめること
警備業を営もうとする者は、都道府県公安委員会の認定を受けなければならず(警備業法4条)、認定を受けて警備業を営む者を警備業者といいます(2条3項)。契約書の側からすると、「相手は警備業者か」という問いは、「認定を受けているか」という問いに置き換えられます。認定の有効期間は五年で(5条4項)、引き続き警備業を営むには更新を受ける必要があり(7条1項)、有効期間が満了すると認定は効力を失います(7条5項)。このほか、廃止の届出(10条)があれば認定は効力を失い、偽りその他不正の手段による認定や、六月以上の休止などが認められれば取り消されることがあります(8条)。
確認の手がかりとして、警備業者は、認定を受けたことを示す標識を主たる営業所の見やすい場所に掲示するとともに、事業の規模が著しく小さい場合など内閣府令で定める場合を除き、電気通信回線に接続して公衆の閲覧に供しなければなりません(6条1項)。また、警備業者以外の者が、標識やこれに類似する標識を掲示したり公衆の閲覧に供したりすることは禁じられています(同条2項)。標識の様式は内閣府令に定められているため、細部は府令と所管官庁の資料で確認が必要です。
確認の問い契約の前に、相手の認定について確かめる問い
相手は、認定を受けた警備業者か。標識は掲示・公開されているか。
理由警備業を営む者は認定を受けた警備業者であり(警備業法2条3項・4条)、標識の掲示と公開は警備業者の義務である(6条1項)。認定を受けていない者が、類似の標識を出すことも禁じられている(同条2項)。
認定の有効期間は、契約期間のどこで終わるか。
理由有効期間は五年で、更新を受けないと満了で失効する(5条4項、7条1項・5項)。契約期間が長いほど、途中で更新期に当たる。
契約の業務を行う営業所と区分は、相手の認定の内容に含まれるか。
理由認定の申請事項に、営業所ごとの取り扱う警備業務の区分が含まれている(5条1項2号)。契約の業務の区分が、その営業所の区分に入っているか。
業務を行う都道府県で、必要な届出がされているか。
理由主たる営業所のある都道府県以外で営業所を設け、または警備業務を行うときは、その区域を管轄する公安委員会へ届出が要る(9条。内閣府令で定めるものを除く)。出張で現場に入る契約ほど、確認が要る。
変更があったときに、通知を受けられるか。
理由氏名や名称、営業所、取り扱う区分、指導教育責任者、役員といった認定の事項に変更があれば、警備業者は届出をする(11条)。契約書で通知を求めておけば、契約の前提の変化を把握できる。
第○条警備業者としての認定
- 乙は、警備業法(以下「法」という。)4条の認定を受けた警備業者であること、及び別紙に記載する認定の内容(認定を行った公安委員会、有効期間、営業所、取り扱う警備業務の区分)に、本業務の区分及び本業務を行う営業所が含まれていることを表明し、保証する。
- 乙は、本業務を行う都道府県の区域において、法9条その他の法令により必要な届出を済ませていることを表明し、保証する。
- 乙は、認定の有効期間の満了が本契約の期間内に到来するときは、満了の○日前までに、更新を受けたことを示す書面の写しを甲に提出する。
- 乙は、認定について、取消しその他の処分を受け、若しくはその手続が始まったこと、又は認定の事項に変更があったことを知ったときは、遅滞なく甲に通知する。
- 甲は、認定が失効し、又は取り消されたときは、催告なしに本契約の全部又は一部を解除することができる。
表明保証と通知の書き方の全体像は許可の保有を相手に約束させる契約条項にまとめています。
認定の条は、受ける側(警備業者)にとっても意味があります。認定の内容を別紙で特定しておけば、更新を受けたときは別紙を差し替えるだけで足ります。また、認定が取り消された場合の解除と精算は、依頼者にとっても警備業者にとっても予測しやすくなります。その先の出口の設計は、許可の取消し・停止・失効のときの契約の出口にまとめています。
もう一つ、警備では再委託の扱いが重要です。警備業務は「他人の需要に応じて行う」業務と定義されている(警備業法2条1項)ため、受託した警備業者がさらに別の者へ業務を任せると、その者も、元の警備業者の需要に応じて警備業務を行うことになり、警備業の認定が問題になります。再委託の先が認定を受けた警備業者かどうかを、承諾の条件に入れておきます。再委託のたびに、先に挙げた認定の確認(種類、区分、営業所、有効期間)を繰り返し、確認の記録を残す書き方が考えられます。
第○条再委託
- 乙は、本業務の全部又は一部を第三者に再委託しようとするときは、あらかじめ、再委託先の名称、再委託する業務の範囲及び再委託先の認定の内容を書面で甲に通知し、甲の書面による承諾を得なければならない。
- 乙は、再委託先が法4条の認定を受けた警備業者であり、再委託する業務の区分及び営業所が、その認定の内容に含まれていることを確認し、その確認の記録を保存する。
- 乙は、再委託先の行為について、自らの行為として甲に対する責任を負う。
- 乙は、再委託先の認定について、取消しその他の処分を受け、若しくはその手続が始まったことを知ったときは、遅滞なく甲に通知し、再委託を解消する。
再委託先に関する教育や指導教育責任者の配置の確認は、警備員の欠格・年齢・教育と指導教育責任者の条項と合わせて決めます。
契約前の概要書面と契約後の書面:警備業法19条
警備業法19条は、警備業者に、二つの場面で依頼者へ書面を交付することを求めています。契約を結ぼうとするときは、契約を結ぶまでに、内閣府令で定めるところにより、契約の概要について記載した書面を交付します(1項)。契約を結んだときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、契約の内容を明らかにする書面を交付します(2項)。後者に書く事項として、条文は、警備業務の内容として内閣府令で定める事項、警備業務の対価その他の依頼者が支払わなければならない金銭の額、その支払の時期及び方法、警備業務を行う期間、契約の解除に関する事項、そのほか内閣府令で定める事項を挙げています。
二つの書面の違い(警備業法19条)
| 比べる点 | 契約前の書面(1項) | 契約後の書面(2項) |
|---|---|---|
| 交付する時期 | 契約を結ぶまでに | 契約を結んだとき、遅滞なく |
| 書く内容 | 契約の概要(内閣府令で定めるところによる) | 警備業務の内容、対価その他の金銭の額、支払の時期と方法、警備業務を行う期間、契約の解除に関する事項、その他内閣府令で定める事項 |
| 交付する人 | 警備業者 | 警備業者 |
| 交付を受ける人 | 警備業務の依頼者 | 警備業務の依頼者 |
| 電磁的方法 | 依頼者の承諾を得て、書面の交付に代えられる(3項) | 同左(3項) |
警備業務の委託の流れと書面
- 検討:依頼内容を確認する業務の場所、日時、区分、配置の見込みを確かめる。この段階で、警備業者の認定の内容を確認する。
- 契約の前:概要の書面を交付する警備業者は、契約を結ぶまでに、契約の概要を記載した書面を依頼者に交付する(19条1項)。
- 契約:契約書を結ぶ契約書で、業務、対価、期間、解除などを定める。契約書の内容と、前後の書面の内容とが食い違わないようにする。
- 契約の後:契約内容を明らかにする書面を交付する警備業者は、契約を結んだとき、遅滞なく、契約の内容を明らかにする書面を依頼者に交付する(19条2項)。契約書に必要な事項が載っていれば、契約書の交付と兼ねる設計もあり得る。
- 実施:指示書に沿って現場を行う場所、日時、配置を指示書で定める。日々の変更は、契約書との優先関係に沿って扱う。
契約書との関係で気をつけたいのは、次の三点です。第一に、条文は依頼者の範囲を限定していません。事業者である依頼者との契約でも、警備業務を行う契約であれば、19条の対象になると考えて準備しておくのが安全です。どの場合が対象から外れるかは、内閣府令と所管官庁の資料で確認が必要です。第二に、契約後の書面に載せるべき事項(業務の内容、対価、支払の時期と方法、期間、解除)は、契約書に載っていれば、契約書を交付することで足りる設計もあり得ますが、内閣府令が定める事項に欠けがないかは、府令で確かめます。第三に、契約前の概要の書面は、契約を結ぶ前に出す必要があるため、契約書そのものとは別の書面として用意するのが分かりやすい運用です。契約書案を概要の書面として使えるかは、府令の定めに沿うかどうかによります。
契約書の側にできる手当ては、書面の交付について条を置くことです。警備業者が書面を交付する義務を負っていることを確認し、依頼者が書面の交付を受けたことを確認する、という形にします。
第○条書面の交付
- 乙は、法19条1項に基づき、本契約の締結までに、契約の概要を記載した書面を甲に交付した。甲は、その交付を受けたことを確認する。
- 乙は、法19条2項に基づき、本契約の締結後遅滞なく、同項各号に掲げる事項を記載した書面を甲に交付する。本契約書が同項各号の事項を満たす場合は、本契約書の交付をもって同項の書面の交付とすることができる。
- 乙は、前二項の書面の交付に代えて、法19条3項に基づき、甲の承諾を得て、記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合、乙は、あらかじめ、その方法の種類及び内容を甲に示す。
- 本契約の内容を変更し、又は個別の指示書により期間、対価その他同項各号の事項に変更が生じるときは、乙は、変更後の内容を明らかにする書面を、遅滞なく甲に交付する。
第4項の変更時の扱いは、事業の実態に合わせて加減します。電磁的方法の承諾の取り方や方法の細部は、政令と内閣府令で確認が必要です。
電磁的方法による交付と、承諾の取り方
書面の交付に代えて、電子メールやウェブ上の提供といった電磁的方法を使うことができます。警備業法19条3項は、政令で定めるところにより、依頼者の承諾を得て、書面に記載すべき事項を、情報通信の技術を利用する方法であって内閣府令で定めるものにより提供することができ、その場合は書面を交付したものとみなす、と定めています。条文が求める条件は大きく二つです。依頼者の承諾があること。内閣府令で定める方法によること。
契約書で取り組めるのは、承諾の取り方を決めておくことです。承諾は、契約の前にとる、契約書の中に電磁的方法による提供の条項を置いて同意を得る、あるいは別紙の承諾書面で確認する、といった方法が考えられます。いずれも、承諾の事実を後から示せるよう、記録に残します。電磁的方法で送った書面を依頼者が開けなかったときの扱いについても、あらかじめ決めておくと、到達をめぐる争いを避けられます。
書面の交付に関する条を置くときの点検
- 契約の前に概要の書面を交付した事実を、契約書で確認している。
- 契約後の書面に載せる事項(内容、対価、支払の時期と方法、期間、解除)が、契約書または別の書面に漏れなく載っている。
- 電磁的方法による提供を使う場合は、依頼者の承諾の取り方と記録を決めている。
- 契約の変更があったとき、変更後の内容を明らかにする書面を交付する扱いを決めている。
- 指示書や別紙で、期間や対価を変更しても、契約書と食い違わないようにしている。
契約書・指示書・別紙の優先関係と、業務内容の書き方
警備業務の委託契約書では、契約書の本体に加えて、業務ごとの指示書や別紙を使うのが一般的です。場所、日時、配置人数、配置場所、実施の方法は現場ごとに違うため、本体にすべてを書くことはできません。そこで、契約書の本体、指示書、別紙の三つが、食い違ったときにどれを優先するかを、本文に書いておきます。
優先関係を決めるときは、法定の書面に載せるべき事項との関係を意識します。警備業法19条2項の契約後の書面には、警備業務の内容、対価、支払の時期と方法、期間、解除に関する事項が載ります。これらの事項を指示書が上書きするなら、指示書もまた契約の内容を明らかにする書面の一部になります。本体では期間は「一年」とし、指示書では個別の日を定めている場合、どの記載が契約の期間を示すのかを、条文で決めておきます。
書き方の例(一般的な例)書類の優先関係の書き方
優先順位
理由全面的に指示書を優先させると、期間や対価、解除といった法定の書面の事項まで、指示書で変わってしまう。個別の現場に関する事項だけを指示書に委ねる。
変更
理由変更の範囲を、現場の事項に限る。法定の書面の事項に及ぶ変更には、合意と書面の交付を結び付ける。
苦情への対応
理由警備業法20条は、警備業者に、依頼者等からの苦情の適切な解決に努める責務を課している。窓口を契約書に書くと、実施の側にも分かりやすい。
業務内容の書き方では、「何をするか」だけでなく「何をしないか」も書いておくと、現場でのずれを防げます。たとえば、警備員が行う誘導や整理は、法が特別に与えた権限に基づくものではなく(警備業法15条)、駐車違反の取締りや、通行を強制する行為などを前提にした記載は避けます。契約書の業務内容と、現場の運用が合っているかを、指示書の内容で点検します。
契約書に書く事項は、これ以外にも、報告、緊急時の対応、秘密保持、再委託、契約期間、解除、反社会的勢力の排除、不可抗力、管轄といった、一般の業務委託契約と共通のものがあります。このページでは、警備業ならではの条項に絞りました。全体の条項の標準的な並びは、契約の種類に応じて組み立てます。
起きがちなこと
場面別:起きがちなことと手当て
雑踏警備を3号と書いた
起きがちなこと契約書の定義で、交通誘導と雑踏の警備を、2号・3号と並べて書いた。3号は運搬中の現金等の警備のため、定義と引用が合わなくなった。
手当て業務の定義は、2条1項2号の文言に合わせる。3号以下は、実際に委託する業務がある場合だけ書く。
契約を結ぶまでに概要の書面が出ていなかった
起きがちなこと契約書は結ばれたが、契約の概要を記載した書面は、契約の後に出された。
手当て契約書に、概要の書面を契約の前に交付したことの確認条項を置く。書面の交付と契約の締結の順序を、手順書に書く。
指示書で期間と対価が変わった
起きがちなこと契約書の本体では期間と対価が決まっていたが、指示書で別の日数と金額が書かれ、どちらが正しいか分からなくなった。
手当て指示書に委ねる事項を現場の事項に限り、期間、対価、解除の変更は合意と書面の交付に結び付ける。
認定の更新期が契約の途中に来た
起きがちなこと契約が続く間に、相手の認定の更新期が来たが、誰も確認せず、満了日を過ぎてしまった。
手当て認定の有効期間の満了が契約期間内に来るときは、更新を受けたことを示す書面の提出を、期限付きの義務にする。
よくあるご質問
警備業務の区分は、どのように分けられていますか。雑踏・交通誘導は何号ですか。
警備業法2条1項は、警備業務を四つに分けています。1号が施設における盗難等の警戒・防止、2号が人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所での負傷等の警戒・防止、3号が運搬中の現金、貴金属、美術品等の警戒・防止、4号が人の身体に対する危害の発生の、身辺での警戒・防止です。雑踏の警備も交通の誘導も、条文上は2号です。
警備業の認定には、有効期間がありますか。
認定の有効期間は五年で(警備業法5条4項)、引き続き警備業を営むには更新を受ける必要があり(7条1項)、有効期間が満了すると認定は効力を失います(7条5項)。契約書では、更新を受けたことを示す書面の提出を期限付きの義務にしておくと、確認が確実になります。
警備業者が依頼者に交付しなければならない書面には、何がありますか。
警備業法19条が定める二つです。契約を結ぼうとするとき、契約を結ぶまでに、内閣府令で定めるところにより契約の概要を記載した書面を交付します(1項)。契約を結んだときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、警備業務の内容、対価その他の金銭の額、その支払の時期及び方法、警備業務を行う期間、契約の解除に関する事項などを明らかにする書面を交付します(2項)。
書面の交付を、電子メールなどで済ませることはできますか。
できます。警備業法19条3項は、警備業者が、政令で定めるところにより依頼者の承諾を得て、書面に記載すべき事項を、情報通信の技術を利用する方法で内閣府令で定めるものにより提供したときは、書面を交付したものとみなすと定めています。承諾の取り方や使える方法の細部は、政令と内閣府令で確認が必要です。
契約書、指示書、別紙の内容が食い違ったら、どれが優先しますか。
契約書に優先関係の定めがなければ、どれが優先するかが争いになります。本体、別紙、指示書の順に優先し、場所、日時、配置人数、実施の方法といった現場の事項に限って指示書に委ねる、という定め方が一般的です。期間、対価、契約の解除の変更は、合意と書面の交付に結び付けておくと、警備業法19条2項の書面の内容と食い違わずに済みます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、事業の仕組みや契約の内容によって異なることがあります。許可・登録・認定の申請の手続や要件は、このサイトでは扱いません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 警察庁 / 観光庁 / 厚生労働省