許可の取消し・停止・失効のときの契約の出口

取消し、停止、失効は別のことです。出口の条項は、通知、履行の停止、解除、精算、引継ぎの順に組み、処分の範囲に応じて動きを分けておきます。

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出口の条項がないと、催告の手順を踏む間に被害が広がり、済んだ分の精算でも争いになります。失効は処分を待たずに生じるため、通知の対象に含めておく必要があります。

このページの要点

  • 取消し・停止・失効を区別する。警備業・古物商・旅行業の停止は六月以内(六月を超えない範囲)で、範囲が限られることもある(警備業法49条、古物営業法24条、旅行業法19条)。
  • 処分を受けたとき、受けるおそれがあるとき、失効の事由が生じたときに通知し、取消し・失効は催告を要しない解除、停止は履行停止と日数による解除に結びつける(民法541条・542条)。
  • 解除の精算は、済んだ業務の対価、前払金、預かり品、仕掛品、記録に分けて決める(民法545条)。利用者への告知と返還の主体も決める。
  • 引継ぎ先の許可・登録の確認を条件にする。有効期間を別表に写し、更新の報告と証拠の提出で失効を防ぐ。

結論:出口の条項は「通知、停止、解除、精算、引継ぎ」の順に組み、処分の種類ごとに動きを分ける

相手の許可や登録、認定が取り消された。あるいは、自社が行政から営業の停止を命じられた。そのとき契約がどうなるかは、契約書に出口の条項があるかどうかで、大きく変わります。出口の条項がなければ、民法の一般の規定に頼ることになり、催告の手順を踏む間に被害が広がったり、すでに済んだ分の精算を巡って争いになったりします。

最初に押さえたいのは、取消し、停止、失効は、別のことだという点です。取消しは、許可などの効力を行政が終わらせる処分です。停止は、期間を定めて営業の全部または一部をできなくする処分で、期間が終われば再開できます。失効は、有効期間の満了や、事業の廃止などで、許可などが効力を失う場合です。この三つを同じ「許可がなくなった」と扱うと、解除すべきなのか、停止して待つべきなのかが曖昧になります。

出口の条項は、次の順に組むと、抜けが出にくくなります。①処分を受けた、または受けそうなときの通知。②対象になった範囲の履行の停止。③全部または一部の解除。④済んだ分の精算。⑤利用者や取引先への対応と、引継ぎ。このページでは、この順に沿って整理します。許可を受けるための手続は、このガイドの対象外です。許可の保有を約束させる条項は許可の保有を相手に約束させる契約条項のページで扱っているため、ここでは、保有が崩れたあとの動きに絞ります。

処分の種類:取消し、停止、失効はどう違うか

契約書の条項を処分の種類に合わせて組むために、分野ごとの条文を並べます。

分野ごとの取消し・停止・失効の根拠

警備業の認定警備業法7条・8条・10条・49条

取消し
偽りその他不正の手段で認定・更新を受けたとき、欠格事由(3条各号。9号を除く)に該当しているとき、認定後六月以内に営業を開始せず、または六月以上営業を休止しているとき、三月以上所在不明のとき(8条1項)
停止
警備業者またはその警備員が法令に違反し、警備業務の適正な実施が著しく害されるおそれがあるときなど、六月以内の期間を定めて、公安委員会の管轄区域内における警備業務に係る営業の全部または一部の停止を命ずることができる(49条1項)
営業の廃止命令
認定を取り消されたのに警備業を営んでいる者などに対して、営業の廃止を命ずることができる(49条2項)
失効
有効期間の満了(7条5項)、廃止の届出(10条2項)

古物商の許可古物営業法6条・8条・24条

取消し
偽りその他不正の手段で許可を受けたとき、欠格事由に該当するとき、許可後六月以内に営業を開始せず、または六月以上営業を休止しているとき(6条1項)。所在を確知できないときの公告による取消し(同条2項)
停止・取消し
法令に違反し、盗品等の売買等の防止や速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあるときなど、許可の取消し、または六月を超えない範囲での営業の全部もしくは一部の停止を命ずることができる(24条1項)
失効
営業の廃止による許可証の返納があると、許可は効力を失う(8条2項)。取消しのときも許可証を返納する(同条1項2号)

旅行業の登録・旅行サービス手配業の登録旅行業法19条・37条ほか

取消し・停止
法令違反、欠格事由への該当、不正の手段による登録などのとき、六月以内の期間を定めて業務の全部もしくは一部の停止を命じ、または登録を取り消すことができる(19条1項。手配業は37条1項)
事業を行っていない場合
登録後一年以内に事業を開始せず、または引き続き一年以上事業を行っていないと認めるときの取消し(19条2項。手配業は37条2項)
廃止・譲渡
事業の廃止、事業の全部の譲渡などは、その日から三十日以内に届出(15条1項。手配業は35条1項)

食品営業の許可食品衛生法56条・60条・61条

取消し・禁止・停止
規定に違反した場合、許可に付けた条件に違反した場合などに、許可の取消し、営業の全部もしくは一部の禁止、期間を定めた停止(60条1項)
施設の基準違反
施設が条例の基準に違反した場合に、整備改善命令、許可の取消し、営業の禁止・停止(61条)
地位の承継
営業の譲渡、相続、合併、分割で、許可営業者の地位が承継される。承継者は遅滞なく届け出る(56条)

条文は、処分の要件を要約したものです。実際の処分では、手続の細目や例外が条文に定められています。

この四つの比較から、契約書の条項を組むときに意識したい点が見えてきます。第一に、停止の範囲は分野によって違うことです。警備業の営業停止は、公安委員会の管轄区域内における警備業務に係る営業が対象です(49条1項)。ある地域だけが止まり、別の地域では事業が続く場合があるため、契約の対象地域と処分の範囲を重ねて考えます。第二に、停止の期間に上限があることです。警備業は六月以内、古物商は六月を超えない範囲、旅行業は六月以内です。停止で済むのか、取消しに至るのかは処分の内容によりますから、契約書は両方を想定します。第三に、失効は、行政の処分を待たず自動的に生じることです。警備業の有効期間の満了(7条5項)や古物商の廃止による返納(8条2項)では、処分の通知はありません。通知義務は、処分に限らず、失効の事由にも及ぶように書きます。

通知義務と、催告を要しない解除

契約に定めがなければ、相手が債務を履行しない場合には、相当の期間を定めて催告し、その期間内に履行がなければ解除します(民法541条)。ただし、債務の全部の履行が不能なとき、債務者が全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときなどは、催告をせずに、直ちに解除できます(民法542条1項)。債務の一部の履行が不能な場合などには、契約の一部の解除もできます(同条2項)。許可を失った相手が、許可を要する業務を続けることは、法に反する状態を深めることです。催告して待つ余裕がない場面が多いため、契約書に、催告を要しない解除の事由として明記しておきます。

通知の対象は、処分を受けたときだけでは足りません。処分の前に、行政庁から意見を述べる機会の通知を受けることがあります。その段階で、相手方に知らせる義務を置くと、委託者は、代替の手配に早く動けます。次の組立てが、一般的です。

書き方の例(一般的な例)通知と解除の条項の書き方

通知の対象

よくある書き方許可が取り消されたときは、直ちに通知する。
整えた書き方乙は、本許可について、取消し、停止、営業の廃止の命令その他の処分を受けたとき、処分の前に行政庁から意見を述べる機会の通知を受けたとき、有効期間が満了し更新を受けられないことが明らかになったとき、または事業を廃止するときは、直ちに甲に書面で通知する。

理由取消しの後に知らされても遅すぎます。処分の前の段階と、失効(満了・廃止)を通知の対象に入れます。

解除の事由

よくある書き方乙が義務に違反したときは、甲は催告の上、解除できる。
整えた書き方乙が本許可を取り消されたとき、または本許可を失ったときは、甲は、催告を要せず、直ちに契約の全部または一部を解除できる。乙が停止の処分を受けたときは、甲は、その範囲および期間に限り、履行を停止させることができる。

理由許可を失った場合は、催告して是正を待つ意味がありません。取消し・失効と停止を、別の効果(解除と履行停止)に結びつけます。

処分の範囲に応じた一部解除

よくある書き方乙が処分を受けたときは、契約全体を解除する。
整えた書き方処分が特定の地域、営業所、業務の区分に限られるときは、甲は、その範囲に対応する部分に限って契約を解除し、または履行を停止することができる。

理由処分の範囲が限られているのに全体を解除すると、残りの取引まで失います。範囲に応じた一部解除(民法542条2項の考え方)を書いておくと、必要な分だけ止められます。

第○条許可の取消し・停止・失効

  1. 乙は、本業務に必要な許可・登録・認定(以下「本許可」という。)について、次のいずれかに該当するときは、直ちに甲に書面で通知する。一 取消し、停止、営業の禁止もしくは廃止の命令その他の処分を受けたとき。二 処分の前に、行政庁から意見を述べる機会の通知を受けたとき。三 有効期間が満了し、更新を受けられないことが明らかになったとき、または事業を廃止するとき。
  2. 乙が本許可を取り消され、または失ったときは、甲は、催告を要せず、本契約の全部または一部を直ちに解除できる。
  3. 乙が停止その他の処分を受けたときは、甲は、処分の対象となった範囲および期間について、乙に履行を停止させ、または発注を停止することができる。停止が○日を超えるときは、甲は契約の全部または一部を解除できる。
  4. 前二項の解除または停止があったときは、乙は、甲が指示する範囲で、業務の引継ぎに必要な協力を行う。

条文例は一般的な書き方の一例です。実際の使用では、処分の種類と範囲、通知の期限、停止の日数を、事業の実態に合わせて入れます。

済んだ分の精算:解除の効果と、前払金・預かり品の扱い

解除したときの民法の原則は、各当事者が相手方を原状に復させる義務を負うことです(545条1項)。金銭を返還するときは、受領の時から利息を付し(同条2項)、金銭以外の物を返還するときは、受領の時以後に生じた果実も返還します(同条3項)。解除権の行使は損害賠償の請求を妨げません(同条4項)。ただ、役務の提供が済んだ部分まで元に戻すのは現実的ではなく、継続的な業務の契約では、済んだ部分は有効として扱い、将来に向かって終了させる書き方が一般的です。次の表は、精算で決めておく項目を整理したものです。

解除に伴う精算の項目と手当て

項目起きがちな問題契約書での手当て
済んだ業務の対価履行済みの部分と未了の部分の境界が曖昧で、報酬の算定で争いになる解除日までに完了した業務に対応する対価は支払う、と書く。算定の基準を別表に定める
前払金前払いした対価が、未提供の部分についてどう返るか決まっていない未提供の部分に対応する前払金は、解除の日から○日以内に返還する。返還の方法と、差引きできる費用の範囲を書く
預かり品・提供された物処分を受けた側が、預かった物を保管し続けられない預かり品の引渡先、引渡しの期限、保管費用、引渡しまでの管理責任を決める
仕掛品・材料・成果物解除によって、中途の仕事が無駄になる仕掛品の引取りと費用、成果物の権利の帰属を、解除の原因を作った側の負担で整理する
損害賠償処分が原因で相手方に生じた損害を、誰が負担するかが決まっていない処分の原因を作った側の負担とするか、上限を設けるかを決める(民法415条・545条4項)
記録・データ法令上保存が求められる記録が、解除後に行方不明になる保存が必要な記録の保管者と期間、閲覧の窓口を決め、引き渡す記録の範囲を別表に書く

精算の項目の中で見落とされやすいのが、記録です。許可の取消しや事業の廃止のあとも、業務で作成した記録の保存が法令で求められることがあります。どの記録が、どの期間、誰に保存義務があるのかは、分野と記録の種類によって違います。ここは、条文と所管の資料で確認が必要です。契約書には「法令上保存が求められる記録は、その期間、乙が保管し、甲の求めに応じて閲覧に供する」とだけ書き、細目は別表に委ねる形が、運用に耐えます。古物の記録の扱いは古物の出張買取を委託するときのページで、警備の中止時の精算は警備の中止・天候・日割り半日割りの精算と保険のページで扱っています。

利用者・取引先への影響と、代替の事業者への引継ぎ

処分を受けたとき、影響を受けるのは契約の当事者だけではありません。買取品を預けた人、前払いをした人、旅行を予約した人、食品を受け取る予定の取引先に、影響が及びます。この人たちに誰が、いつ、何を知らせるのか。前払金や預かり品を誰が返すのか。予約済みのサービスを誰が代わりに用意するのか。これらは、契約書で、あらかじめ役割を決めておく項目です。

利用者・取引先への対応と引継ぎの手順の一例

  1. 事実の確認処分の種類、対象の範囲、期間を、通知された書面で確認する。停止か取消しか、範囲が限られるのかで、以降の動きが変わる
  2. 利用者への告知契約上の相手方に責任がある範囲の利用者に、事実と今後の扱いを知らせる。告知の主体(誰の名で出すか)、文面の確認、期限を決めておく
  3. 預かり品・前払金の処理預かり品の返還先、前払金の返還の主体と方法を決める。返還が終わるまでの管理責任と、費用負担も書いておく
  4. 代替の手配予約済みのサービスは、代替の事業者に引き継ぐか、取消しとして処理するかを選ぶ。代替の事業者にも、必要な許可・登録があることを確認する
  5. 記録と情報の引渡し引き継ぐ範囲の記録、連絡先、進行中の案件の状況を、書面で引き渡す。個人情報を含むものは、利用目的の範囲に収まるよう、引渡しの根拠を契約に書く
  6. 表示の修正取り消された許可や登録の表示を、サイトや規約、標識から取り下げる(許可番号・登録番号・標識の表示)

代替の事業者への引継ぎでは、引き継ぐ側と引き継がれる側の双方に、必要な許可があることの確認が前提になります。食品の施設の運営を別の事業者に引き継ぐときは、次の運営者が営業者として許可を受けていることが前提になります(食品の製造委託と施設の運営受託)。旅行の手配では、代替の手配先が旅行業者または旅行サービス手配業者であるかを確かめます(旅行の手配を請ける・頼む契約書)。引継ぎ先が許可を持たないまま引き継いでしまうと、問題を移しただけになります。

更新漏れを防ぐ管理:有効期間の違いを一覧にしておく

失効の多くは、更新の手続をうっかり忘れたことで生じます。契約の中で、相手の更新を確認する仕組みを置いておくと、失効の前に気づけます。まず、有効期間の有無が分野で違うことを確かめます。

有効期間と更新の違い

分野有効期間更新契約書での確認の仕方
警備業の認定五年(警備業法5条4項)引き続き営むには更新を申請し、受ける(7条1項)。満了すれば効力を失う(7条5項)満了日と更新後の認定の書面を、別表に記載する。満了の前に更新を受けたことの報告を義務にする
旅行業の登録五年(旅行業法6条の2)有効期間満了後も営むには更新の登録を受ける(6条の3第1項)。満了日までに申請があれば、通知があるまで従前の登録は効力を有する(同条3項)満了日の前に更新を申請した旨の報告と、更新後の登録票の写しの提出を義務にする
古物商の許可許可の条(3条〜8条)には有効期間・更新の定めは置かれていない更新はない。取消し(6条)、営業の停止等(24条)、廃止による失効(8条2項)がある有効期間ではなく、取消し・停止・廃止の通知と、変更の届出(7条)を確認の対象にする
食品営業の許可知事が五年を下らない有効期間その他の条件を付けることができる(食品衛生法55条3項)有効期間が付いているときは、その期間ごとに更新が必要になる許可証の記載で有効期間と条件を確認し、別表に写す。条件違反は取消しの対象になる(60条1項)
旅行サービス手配業の登録有効期間の定めの有無は、条文と所管の資料で確認が必要更新の仕組みも同じく確認が必要登録の書面の記載を別表に写し、期限の記載があれば、その日付で確認の日を定める

更新管理を契約に組み込む手順の一例

  1. 別表に有効期間を写す契約の締結時に、許可証・登録票の記載から、種別・番号・有効期間を別表に写す
  2. 更新の前の確認有効期間が満了する前の一定の期間に、更新の手続を始めたことの報告を求める
  3. 更新後の証拠の提出更新後の許可証などの写しを、一定の日数以内に提出させ、別表を書き換える
  4. 更新できなかったときの扱い更新を受けられないことが明らかになったときの通知、契約の履行停止、解除を決める
  5. 定期の確認契約期間が長いときは、年に一度など、定期に保有の確認を行うと決める

起きがちなこと

場面別に見る、出口の条項がなかったときに起きがちなこと

失効に気づかず業務を続けた

起きがちなこと更新の時期を過ぎたことを、委託者が数か月後に知った。その間の業務は、許可のない状態で行われていた

手当て有効期間を別表に写し、満了前の更新報告と、満了後の証拠の提出を義務にする。失効の事由を通知と解除の対象にする

停止の範囲が地域限定だった

起きがちなこと受託者の営業の停止が特定の区域の営業に限られていたが、契約は全体が止まったものとして扱われ、止める必要のない取引まで失った

手当て処分の範囲に対応する一部解除と履行停止を書く。処分の範囲を示す書面の提出を求める

前払金の返還の主体が決まっていなかった

起きがちなこと処分の後、前払いした利用者への返還を、委託者と受託者が互いに相手が行うものと考えて、対応が遅れた

手当て前払金の返還の主体と方法、期限を決める。利用者への告知の主体も決める

引継ぎ先に許可がなかった

起きがちなこと代替の事業者に引継いだが、その事業者も必要な許可を受けておらず、再び業務を止めることになった

手当て代替の事業者の許可・登録の確認を、引継ぎの条件にする。確認の書面を残す

取消し・停止・失効のときの契約の出口の点検

  • 処分を受けたとき・受けるおそれがあるとき・失効の事由が生じたときの通知を、義務にしている。
  • 取消し・失効と停止を区別し、解除と履行停止に別々に結びつけている。
  • 処分の範囲(地域、営業所、業務の区分)に応じた一部解除や履行停止を書いている。
  • 済んだ分の対価、前払金、預かり品、仕掛品、記録の扱いを決めている。
  • 利用者・取引先への告知の主体と、前払金・預かり品の返還の主体を決めている。
  • 代替の事業者に必要な許可・登録があることの確認を、引継ぎの条件にしている。
  • 許可・登録の有効期間を別表に写し、更新の報告と証拠の提出を義務にしている。

よくあるご質問

相手の許可が取り消されたら、契約はすぐ解除できますか。

契約書に定めがなければ、民法の一般の規定によります。相当の期間を定めて催告し、その期間内に履行がなければ解除するのが基本ですが(民法541条)、債務の全部の履行が不能なときや、全部の履行を拒絶する意思が明確なときなどは、催告をせずに解除できます(民法542条1項)。確実にするには、許可の取消し・失効を、催告を要しない解除の事由として契約書に明記しておきます。

営業の停止を命じられた場合、契約は解除すべきですか、それとも待つべきですか。

停止には期間があり、期間が終われば再開できます。警備業は六月以内(警備業法49条1項)、古物商は六月を超えない範囲(古物営業法24条1項)、旅行業は六月以内(旅行業法19条1項)の期間を定めて命じられます。そのため、停止の期間中は発注と履行を止め、停止が一定の日数を超えたときに解除できる、という二段の書き方が使いやすい形です。

許可が失効した場合も、取消しと同じように扱えますか。

失効は、有効期間の満了や事業の廃止などで、許可が効力を失う場合です。たとえば警備業の認定は、有効期間の満了で効力を失い(警備業法7条5項)、廃止の届出でも効力を失います(10条2項)。古物商の許可は、廃止による許可証の返納で効力を失います(古物営業法8条2項)。行政の処分を待たずに生じるため、通知義務と解除の事由に、失効を含めておく必要があります。

前払金や預かり品は、誰が利用者に返しますか。

契約書に定めがなければ、誰が返すのかが曖昧になります。前払金の返還の主体と方法、期限、預かり品の引渡先と期限、返還が終わるまでの管理責任を、契約で決めておきます。利用者への告知も、誰の名で、いつまでに行うのかを決めておくと、対応が遅れません。

更新を忘れて許可が切れることを防ぐには、契約書にどう書きますか。

有効期間を別表に写し、満了前に更新の手続を始めたことの報告と、更新後の許可証・登録票の写しの提出を義務にします。警備業の認定は五年で(警備業法5条4項)更新が必要(7条1項)、旅行業の登録も五年で(旅行業法6条の2)更新の登録が必要です(6条の3第1項)。古物商の許可には有効期間の定めが置かれていないため(古物営業法3条〜8条)、取消し・停止・廃止の通知を確認の対象にします。

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